
近年の調査によると、8割以上の人が「住むならやっぱり木の家がいい」と答えています。また、学校や福祉施設など、子どもたちやお年寄りにとって住まいと並んで生活時間の長い、公共の場でも木造の復活を求める声が高まっています。これほどまでに木造建築が人気を集め、木材利用が見直されているのには理由があります。
たとえば、いくつかの公共施設で調査を行なった場合に、木がたくさん使われている施設のほうがケガの発生率が低いことがわかっています。さらに、学校では生徒のケガの防止だけでなく、先生の疲労度(めまいや肩こり、気力減衰など)が低く、また、木材をたくさん使った老人ホームでは、そうではない施設に比べて、不眠を訴える入居者が半分以下という結果も報告されています。


木の細胞は、根から吸い上げた水や養分を枝葉に送るために、無数のパイプ状になっています。そのため、万一転倒しても、この細胞構造がしなやかに変形し、クッションの役目を果たすので大きなケガを防げるのです。
その他にも、木材は私たちが意識しない間に受けるいろいろな刺激をやわらげています。
その一つが、太陽光の反射です。鏡や金属のように光を強く反射する物体は目を疲れさせますが、木は人が心地よいと感じる50%程度の反射率です。さらに、有害な紫外線をほとんど吸収してくれるのもうれしい点です。
また、木は適度な吸音性も備えています。人は音に対して、響きの長さ(残響時間)で心地よさが異なりますが、木造の建築物は最適な残響時間をつくり出しやすいため、コンサートホールなどで木材が多く利用されています。
さらに、木の心地よさには木目のもつ「1/fゆらぎ」が関係することも科学的にわかっています。fとは周波数のことで、その反比例で示される「ゆらぎ」は、そよ風や小川のせせらぎなどの自然現象のほか、人の心拍でも確認されています。つまり、この不規則さと規則正しさが調和する状態は、人体のリズムでもあり、このゆらぎをもつ木目を人は心地よく感じるのです。
私たちが生まれてから老後まで、食事や睡眠、団らんなど日々多くの時間を過ごす場として、家づくりの際には、家族がいつも元気で暮らせる快適な環境づくりが大切なテーマとなります。
木の住まいは、五感を通して家族をやさしく包みます。その心地よい安心感は、子どもやお年寄り、そして妊娠中のお母さんとお腹の赤ちゃんにも、きっと伝わるはず。まさに生まれる前から老後まで、木のぬくもりに包まれる理想的な暮らしを木の住まいは実現できるのです。