
地球上に暮らす私たちは、多くの限りある資源に頼って生きています。
使えばなくなる、という動かざる事実。つまり、与えられた資源をいかに有効利用し、また、使った分の資源をいかに補うかが私たちに与えられた重要な課題となっています。
この視点で、家づくりを眺めると、鉱物資源である鉄やコンクリートなどの限られた建築材料が多いなかで、木材は、一定のサイクルで植林、伐採を繰り返しながら唯一再生できる建築材料であることがわかります。
今日、私たちが直面する問題の一つ、地球温暖化は「熱帯林の減少」が大きく関係しているといわれます。
温暖化の原因物質とされる二酸化炭素(CO 2)の削減効果をもつ森林の減少を抑えなければならない今、果たして木の家づくりは環境にとってよくない行為なのでしょうか。
いいえ、そうではありません。木の家づくりを通して、森林は、単に伐採されるのではなく、後に新たな苗木が植樹され、自然のサイクルに則って森の若返りにつながります。若木は、古木に比べて光合成を盛んに行なうため、大気中のCO 2をより効率よく吸収し、酸素をより多く放出します。つまり、森林の世代交代が進むことで、地球にやさしい環境づくりに貢献しているのです。
これからの時代、枯渇しゆく環境資源についての課題は、現代だけでなく、私たち、そして子どもたちの未来へ続く最重要テーマとなります。2005年(平成17年)2月には、地球温暖化の問題に世界規模で取組む「京都議定書」が発効され、さらなる地球にやさしい暮らしがクローズアップされています。そのなかで、私たち住宅建築にたずさわる者から発信できるメッセージ、それが木の家づくりなのです。
今まで、私たちは新しいものに目を向け、逆に、古いものを否定してはいなかったでしょうか。あらゆるものが日進月歩する時代。私たちは、新しさ=高機能・高品質など、無意識のうちに新しさ優位の価値観をもってしまいがちです。しかし、木については、この価値観が一様に当てはまりません。永い歳月を経た木材は、強度や色つやなど多くの面でその特長を深め、より魅力的な素材となります。
近年、この古材の魅力に関心が集まり、新築の住まいに、永年民家を支えてきた梁や柱などを再び活用する例が多くみられます。木材の魅力を、子や孫へと、世代を越えて伝えられるのも木の家だけがもつ大きな特徴です。
木の家づくりは、まさに、時を越えたかけがえのない家族の共同作業なのです。
